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| 北岳バットレス クライミング 「67歳の熱い夏」(2003.08.05〜07) |
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私の名は関根、67歳のジジ−です。 私がクライミングに誘われたのが昨年の3月、桜の咲くころであった。 初めてのクライミングで伊豆・幕岩の崖を見たとき、なぜか子供のころ山でターザンごっこしたのを思い出した。 あれから50年以上を経て、この歳では無理だろうなんて思っていたから、4回ぐらい参加してその年は過ぎてしまった。 |
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| そして、年が明け、再び桜の咲くころ、永野さんにまた誘われた。 今度は少し真面目にやってみようと思った。 それは、岩登りのテクニックに魅力を感じたからである。 クライミングジムで人工壁を軽々と無理なく登る姿は美しさをともなって私を魅了した。 伊豆の幕山や室内クライミングを経験して、三つ峠でバットレス登攀に必要なマルチピッチを練習した。 終わるころ永野さんに「今年はバットレスに行きましょう」と言われてギクッとしたが、 内心、私の技術でも可能性があると認めてくれたのだという嬉しさもあった。 やれるところまでやってみようと思った。 それから一人で藤沢のJ−WALLにも通った。 家の鴨居で懸垂もやった。 おかげで、昨年、前腕がすぐパンプしていたが、それはなくなった。 そして、小川山のクライミングに参加した。岩登りの醍醐味が少し分かったような気がした。 |
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| 小川山イベントの二日目、世界に通ずるクライマー杉野さんのクラック登りを口をあんぐり開けて見せてもらった。 ハンドジャムを教えてもらったが、クラックに手を入れてロックしたらイテテテ−ッ!で落下。 これじゃバットレス無理かなと思っていたら永野さんにバットレス行きの日程を聞かされた。 「エッ、行けるの?」と信じられなかったが、 永野さんができるだろうと判断したのだからやるだけやってみるかと腹をくくった。 そしてその日はきた。 |
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| 8月6日 | 白根御池小屋(2230m) |
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03:00 |
起床 |
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04:10 |
白根小池小屋発。ヘッドランプをたよりに大樺沢二股へ出る。 |
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04:55 |
大雪渓の向う鳳凰三山に朝日が顔を出す。
上空は青空、まずまずか。
早めにハーネスをつけて雪渓をのぼる。
雪渓は軽アイゼンぐらいあった方が安心だがこの日は忘れたので苦戦。
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07:00 |
予定通り下部岸壁(約2500m)に着く。先に男女一組が登っているので待つ。
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07:30 |
永野リード、中島、関根のグループ、阿部リード、中出川のグループの順でアタック開始。
下部岸壁は登山靴のまま。まず永野さんが先陣を切る。
2ピッチで約80mの下部岸壁を上がる。
ひとまず小手試しは無事にクリアした。
我が戦友、中島さんは40歳、やる気満々の男である。
ちょうど私の長女が同じ歳、息子と登るような気がして心強かった。二番手を交互につとめる。
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| 08:30 |
下部岸壁を終わり、第四尾根の取り付きに向かう。
二人は永野さんとアンザイレンでつなぎ、コブをトラバースする。 |
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09:30 |
1ピッチ目。第四尾根下部に取り付く。ここから本格的クライミングだ。
クライミングシューズにはきかえる。
最後まで集中力を解かないよう心に言い聞かせる。
ここから阿部組が先行する。ここの核心は棚状岩の張り出し部分の乗り越えである。
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10:00 |
大テラス。1ピッチ目を終えてひとまず安堵。休憩。ガスが張り出す。 |
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10:40 |
第2ピッチ。登り始めに核心がある。クラックに足を入れる。痛い!
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11:30 |
第3ピッチ。永野さんは2本のロープを引っ張ってリードする。
ロープの長さは60m、残り5m、ぎりぎり使う。 |
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12:00 |
第4ピッチ。ここは比較的短い。食事は適当に行動食で済ませる。
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12:30 |
第5ピッチ。マッチ箱のピークへ。ピークでは3人が立てるスペースはない。
先行した阿部さんにカメラが託してある。
その二人がはるか上にいるが間にガスがかかる。
40歳の中島さんは映画タイタニックよろしく両手を広げてポーズするが、
67歳のジジーは岩にしがみついていた。
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| 13:00 |
第6ピッチ。
マッチ箱のピークから約20m下の棚に懸垂下降で降りる。
私のスタイルがぎこちないので永野さんが下からエイト環のロープの通し方を心配する。
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13:10 |
第7ピッチ。ここは長い。
ロープ55mを使う。途中、手がかりのない岩場があり、ちょっと怖い思いをする。
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14:00 |
第8ピッチ。
ラストピッチと聞いてついに終わりがきたかと少し安堵するが緊張は解くまいと戒める。
ここの岩場はつかむところも多く傾斜も少し緩くなる感じ。
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| 14:20 |
3100m、岩登りが終わった。
思わず手を差し出す。永野さんありがとう。中島さんありがとう。
下部岸壁に取り付いてから実に6時間50分、長いようで短かく感じた。
ここから、山頂までのガレ場はアンザイレンで登る。
途中のお花畑が今までの緊張感をいっぺんに解きほぐしてくれた。
ウスユキ草、キンバイ、ハクサンイチゲ、フウロ、クルマユリ、ヨツバシオガマ・・・・
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| 18:10 |
白根小池小屋。今朝ここを出発してから14時間で戻ってこれた。
長い緊張の一日であった。
ふり仰げば第四尾根のマッチ箱のピークが雲の間にかいま見え、印象的であった。
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私の67歳の熱い?夏が終わったような気がした。
この感動を与えてくれた永野さんはじめスタッフの皆さんに感謝しています。
(YFメンバー)
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